HSPは人嫌い?繊細さんが人間関係に疲れない方法

「HSPって人嫌いなんですか?」

突然ですが、あなたは今、人間関係に何か悩みを抱えていますか?
HSPのコミュニティやSNSを拝見すると、HSPさんは“人間関係に疲れる”と悩んでいる人が多いと感じます。

オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家であるアルフレッド・アドラーによると、「人の悩みのすべては、対人関係の悩みである」と提唱されています。

HSPは繊細であらゆることに敏感、過剰に反応しやすい先天的な気質です。そのため、人間関係に疲れて人嫌いになってしまうことがあります。

記事を書いている私自身もHSPです。
HSPであることを感じながら、現在も看護師として様々な職種や患者さんと関わり働いています。

この記事では、「HSPが人嫌いと悩んでしまう理由」や「人付き合いで疲れにくくする方法」さらに、「人間関係で疲れてしまった時の対処法」をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

 

HSPが人嫌いかも…と悩んでしまう3つの理由

① 大勢の人が集まる場所が苦手

大勢の人が集まる場所は、話し声や雑音、視線など刺激が多く、HSPはストレスを抱えやすい状況といえます。

多くの人が様々な話を繰り広げていると、意識を向ける先が頻繁に変わり神経を使いますよね…

みんなが楽しく会話している中でも、常に空気を読もうとするHSPさんは、自分が話すタイミングや聞き手に回る瞬間を良く考えています。

そのため、空気を読むことに慎重になり、自分が話す瞬間を掴めず逃してしまうことが多いです。

うっかり口を滑らせてしまい余計な一言で、しらけてしまった…なんてことありませんか?
自分が発した言葉に対して、相手がリアクションをしてくれるとは限りません。
「あれ?変なこと言っちゃった?」「今話すタイミングではなかったのかも。」と自分の言動に対してHSPさんは、一人反省会をしてしまいます。

話したい内容は心の中にあるのに、考えている内に次の話題へいってしまったり、うっかり変なことを言ってしまわないか不安を感じます。

気を遣う大勢の場は強い居心地の悪さを感じ、人との関わりを避けようとするのが、HSPにおける人嫌いの大きな要因といえます。

 

②ひとりでいるのが好き

集団でなぜか孤独感を感じることはありませんか?

人の顔色を伺って話を合わせたり、意見を求められたりしても、うまく話せなく苦痛を感じてしまいます。

苦痛を味わうリスクを負ってまで、他人とコミュニケーションをする必要はないと考え、1人になりたいと思ってしまいます。

誰とも付き合いたくない、一人でいたい…このような他人との関わりを拒絶する心は、心理学では「親和回避欲求」と呼ばれます。 

「親和回避欲求」は、取り乱した自分を見せたくない、他者が居ると感情がうまく整理できない等、「自分をコントロールできない時に、他者を拒否したいという欲求」です。

集団の中で自分の感情をコントロールできないと他者との関わりを遠ざけ、1人になりたいと感じてしまうのですね。
自分の感情を抑え込んでしまうと、自己肯定感が低くなってしまうかもしれません。

 

③他人といると気を遣いすぎて疲れる

周りに気を使って疲れてしまうのは、あなたが持っている長所が誘因かもしれません。

その場の状況や人の些細な表情を見て周りの空気を読み過ぎていませんか?
HSPさんは周りの空気を深く読み取る能力に長けていますが、どうしても疲れてしまいます。

また、HSPさんは相手の些細な行動や表情にも敏感なため、些細な仕草から嫌われたと勘違いしがちです。

人から嫌われるのが怖い、嫌われたくないと思いが強いHSPさんは、繊細で傷つきやすいので、「人から嫌われる=人生終わり」くらいまで落ち込んでしまいます。

人から嫌われたくないため、自分の意見を押し殺してまで相手に気を遣い、結果的に他人と関わることが億劫になってしまいます。

HSPの人付き合いの特徴

HSPの人付き合いにおいては、以下の特徴や傾向があるといわれています。

  • 大勢の集まる場が苦手で居心地が悪いと感じるので控えがち
  • 自分から誘えない、人の誘いを断れない
  • 他人と本音で話せない
  • 仲良い友達でさえも長時間いると疲れてしまう
  • 相手の機嫌を常に伺いながら付き合う  

常に相手に合わせようと人付き合いをするHSPさんは、気の休まる暇がありません。

心理学では、周りに合わせ過ぎてしまうことを「過剰適応」といいます。

真面目で頑張り屋なHSPさんは相手に合わせることができるため、つい無理をしがちです。

周囲からも過度なストレスがあることに気づかれない場合が多いです。
また、幼少期から周りに合わせることに慣れてしまっていることも多く、本人も心身の不調をあまり自覚できないことが多いです。

気分が沈んでいたり、食欲が無くなったり、寝れなくなるなど心身の不調を感じた時は、早めにストレス対処しましょう。
HSPが人付き合いで疲れにくくする3つの方法

① 周囲からの評価は気にしないようにする

人間関係で疲れてしまう人は、周りからの評価を気にしすぎてしまう傾向にあります。

特に職場では、上司や同僚から指摘を受けると、「評価が下がったかもしれない」「仕事ができない人だと思われたに違いない」と気になってしまいます。

周りの目を気にし過ぎで、ネガティブな感情を抱いてしまったら、「具体的にどんな行動をされ自分に被害があったか」を考えてみましょう。

「嫌なことを言われる」「無視される」などの被害は実際にありましたか?あれば、環境を変えることをお勧めします。何も問題が起こっていないようであれば、それほど心配はありません。

 

② 周りに期待しない

協調性のあるHSPさんは周りに期待をしがちです。

人に期待をすると、裏切られて傷付いたり、「どうして◯◯してくれないんだろう」「どうして認めてくれないんだろう」と思ってストレスになってしまいます。

他人には期待するのではなく、信頼することを心掛けましょう。
人は性格や育ってきた環境が違うため、考え方もそれぞれ異なります。自分の期待している通りに相手が動いてくれることは難しいのです。

あなたは、他者の期待を満たすために生きていませんか?
他者の評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになります。

人へ期待するよりも、自分に自信をもち、自分に期待することを心掛けることでより良い人間関係が築けるでしょう。

 

③無理に人付き合いの苦手を克服しなくていい

世の中には色んなタイプの人がいて、それぞれ違った考え方や生き方をしています。
波長が合う人もいれば、合わない人がいるのは当然のことです。

みんな仲良しなんて難しいのに、相手に合わせて「自分を変えなければ」と思って頑張りすぎてしまうと、ストレスを感じてしまいますよね。

自分に自信を持つことができれば、合わない人の意見に傷つけられたりすることがありません。

「合わない人とは無理に付き合っていく必要はない」

という考えをもっていれば、無理をしなくても良いので人付き合いでストレスを感じることが減っていくはずです。

苦手を克服するよりも得意を伸ばす方が大事です。

 

☆応用編

人付き合いを楽にする方法を1つ紹介。

結論から言うと、自己主張する努力をしてみる。

理由は、自己主張をせず思いを溜め込むとストレスを感じ、人付き合いに困難を感じるからです。

自己主張とは、例えば…

  1. 自分の意見や考えを伝える
  2. 嫌なことは嫌だと伝える
  3. 反論してみる
  4. 自分が感じた思いを伝えてみる

自己主張の苦手はデメリットばかりではなく、協調性を求められる場面では高く評価されることもあります。 

しかし、嫌な思いを吐き出せず我慢してしまうと、大きなストレスとなります。嫌な気持ちを伝えたり断るのも、大事な自己主張です。うまく自己主張をして発散し、ストレスをため込まないようにしましょう。

自己主張が苦手な方は、柔軟な言い方で表現するように意識してください。性格を変えるのは困難ですが、表現方法を変えるのは可能だと思います。

 

HSPが人付き合いで疲れてしまった時の疲れの取り方5選

人と関わることに疲れても「どう対処するのが正解か分からない…」と、我慢し続けてしまう人もいます。

我慢したり辛い気持ちを抱えてまで、その人と接する必要はありません。

人間関係に疲れたなら、ストレスを軽減させるためにしっかりと対処しましょう。

ここでは、人間関係に疲れたときの対処法を5つ紹介します。ぜひ実践してみてくださいね。

①声に出したり書いてみる

ストレスの原因を誰かに聞いてもらえる環境であれば、本音や愚痴をこぼしてみましょう。

もし、人に話しにくい場合は紙に書き出すのもおすすめです。心理学では思いを紙に書き出す行為を「ジャーナリング」といいます。
テキサス大学の社会心理学者、ジェームズ・ペネベイカー教授の調査が、ジャーナリングによって、ストレス指数が改善することを証明しました。

自分の心の中に溜まっているモヤモヤした感情を外に吐き出すことで、不安や緊張などの症状が軽減されるといわれています。ぜひ実践してみてください。

  • 友達や家族に悩みを話してみる
  • 紙にストレスや悩んでいることを書き込む
  • SNSに思いを呟く

 

②マインドフルネスをする

マインドフルネスとは、「今、この瞬間に着目する」という手法です。
1979年マサチューセッツ大学のジョン・カバットジン博士が、ストレス関連障害、頭痛などを改善するためのプログラムとして、「マインドフルネスストレス低減法」を開発しました。

例えば、会社で上司から書類の不備を指摘されたとしましょう。

「きっと他の社員から仕事ができない人と思われたに違いない」
「あんな簡単なミスをするなんて、自分はダメな人間だ」

失敗した過去の出来事を振り返ったり、起こってもいない未来に不安を感じたりと、「心ここに在らず」の状態ですね。
あなたも似たような経験はありませんか?

人付き合いでストレスを感じやすい人ほど、あれやこれや考えすぎてしまうようなところが多いです。
自分の発言や相手の発言について色々考えてしまうんですよね。 

しかし、考え過ぎることで不安がさらに助長されてしまいます。
人付き合いに疲れたら、今に集中してマインドフルネスを実践してみましょう。

  • マインドフルネスをする
  • 瞑想する

③ストレス軽減効果のあるセロトニンを出す

セロトニンとは脳を活発に働かせる神経伝達物質のひとつで、別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。 

ストレスに対して効能のある脳内物質であり、精神を安定させ、ストレスを軽減させる働きがあることが分かっています。

人間関係に疲れてストレスが溜まったときは、意識してセロトニン分泌を高めていくことが効果的です。
以下のような方法でセロトニンの分泌を促すと言われています。

  • 「トリプトファン」が含まれた食材を食べる
  • 太陽の下で15〜30分ウォーキングする
  • 感動体験する(映画、小説、YouTube)

 

トリプトファンとは、「セロトニンの材料になる栄養素』です。体内では作れず、食事から摂取しなければならない成分です。
トリプトファンが含まれた食材を積極的に摂るよう意識したいですね。

トリプトファンが多く含まれる食材は、大豆製品(豆腐・納豆・味噌・醤油)、乳製品(牛乳・バター・チーズ・ヨーグルト)、ナッツ類です。

 

④考え方を変えてみる

HSPは、他人の気持ちをいち早く察知することができ、共感力が高く思いやりがある特徴があります。

一方で、人一倍刺激に敏感なためストレスが溜まり過ぎると疲れ切ってしまいます。

早めにストレス対処したり考え方を変えることで、今まで感じていた負の感情やストレスを軽減する効果があります。
また、日常生活でも些細なことが気にならなくなるという効果もあります。

人の考えも物事の結果もあなたは変えられません。変えられるのは「自分自身のみ」であることを意識してみてくださいね。

  • 自己啓発本を読む
  • ポジティブな人と関わる
  • ストレスな環境から逃げてみる

 

⑤人間関係を整理してみる

人間関係を整理するのは勇気がいりますが、見直してみることは大切です。
人は、人生のステージによって付き合う人は変わっていくものです。

もし、今あなたにウマが合わない人がいれば、少し距離を置いてみてはいかがでしょうか?
本当に相性が合う人であれば、時間を経て再度会うかもしれません。

また、思い切って新しい人との関係を築いてみるのもおすすめです。世の中には、沢山の人がいます。
今の時代、SNSで自分と同じ考えをもつ人を探す機会がたくさんあります。新しいコミュニティに属してみるのもいいかもしれません。

  • 連絡の頻度を減らし少しずつ離れてみる
  • 苦手な人とは必要最低限しか関わらない
  • HSPコミュニティに入ってみる

今いるコミュニティ以外の居場所があれば、苦手な人と接するとき気持ちが楽になります。

 

まとめ

人間関係に悩んだとき、大きなストレスを抱えて辛くなる人も多いと思います。

1人で悩まず悩みを分かち合えるコミュニティに参加してみるといいかもしれません。

悩み事を相談したり悩みを共有することで、ストレス対処方法がみえてきたり、気持ちや考えを整理することができます。

ストレスが溜まったら日頃から少しずつ思いを吐き出してみましょう。さらに、HSP同士のコミュニティで発信すると、共感されることが多いです。悩んでいるのは、自分1人ではないことが分かり、かなり心は楽になると思います。

我慢して人間関係を築く必要はありません。前途したストレス対処法を実行しても、苦しい状況が変わらなければ環境を変えてみることをおすすめします。

一緒に充実した人生を送りましょう。この記事で、あなたの人間関係が少しでも楽になることを願います。

最後までご覧頂きありがとうございました。

7
Loadingお気に入りに追加