5人に1人のこどもがHSC。「HSC」って何?
他の子とちょっと違うと感じたら・・・HSCなのかも?
HSCとは、Highly Sensitive Child(ハイリー・センシティブ・チャイルド)の略称で、人いちばい敏感な気質を生まれ持ったこどもという意味で、HSC(エイチ・エス・シー)と呼ばれています。
「赤ちゃんの時から手がかかり、なぜだろう?」
「自分の育て方が悪かったのかな?」「甘やかしすぎた?」
このように感じていた方がいると思います。
自分の子が他の子と違うと感じると不安になりますよね。
HSCは、精神疾患や発達障がいなどの病気や病名でなく、先天的に生まれ持った性質であり、性格や生まれ育った境遇、現在置かれた環境などで後天的になるものではありません。
この概念を提唱したアメリカの心理学者エイレン・N・アーロン博士によると、人口の15%~20%。5人に1人がHSCにあてはまるとされています。
日本では、まだあまり知られていなくて、こどもの敏感すぎる気質を理解できず、また周囲に理解されず、親子ともに苦しんだり、周りに合わせようと無理をしすぎたりする人が多くいます。
HSCは、生まれ持ったものです。まずは、HSCを正しく知り、こどもを尊重してあげることが大切です。
敏感気質なこども(HSC)の4つの特徴とは
D 「深く考えをめぐらせ情報を処理する(Depth of processing)」
O 「過剰な刺激を受けてしまう(Overstimulation)」
E 「感情が動きやすく共感しやすい(Emotional response and empathy)」
S 「ささいな刺激を察知する(Sensitivity to subtleties)」
これら4つの特徴の頭文字をとって「DOES(ダズ)」と呼ばれています。
「DOES(ダズ)」についてはこちらのページをご覧ください。
この繊細さんなこども(HSC)4つの特徴の「DOES(ダズ)」に全てあてはまり、HSCなのかも?と、気になっている方は、下記の診断テストをしてみて下さい。
HSCは病気ではないので、病院で診断することはできません。
こどもにHSCの気質があるかどうかのひとつの目安となります。
HSCセルフチェック
こどもについて、下記の質問に、少しでも当てはまるなら「はい」と、
まったく当てはまらないか、 あまり当てはまらない場合には「いいえ」と答えてください。
- すぐびっくりする。
- チクチクするような服、くつ下の縫い目、肌に触れる襟元のタグなどをいやがる。
- サプライズしてあげてもほとんど喜ばない。
- 厳しい罰を与えるよりも、優しく間違いを正す方が言うことをわかってくれる。
- わたしの気持ちをよく察するように感じる。
- 年齢の割には難しい言葉をつかう。
- ほんのかすかな匂いにも気がつく。
- 優れたユーモアのセンスをもっている。
- 直感力が優れているように思える。
- 興奮したことがあった日はなかなか眠れない。
- 大きな変化にはうまく対応できない。
- 服が濡れたり砂で汚れた時は着替えたがる。
- 質問を山のようにぶつけてくる。
- 完璧主義なところがある。
- 他人の苦しみによく気がつく。
- 静かな遊びが好き。
- 深い示唆に富む質問をしてくる。
- 痛みにとても敏感。
- うるさい場所を苦にする。
- 微妙なことによく気がつく(何かものを移動させた時や、人の外見の変化などについて)。
- 高い場所に上る前に、安全かどうかじっくり考える。
- 知らない人がいると、一番良い時の実力を発揮できない。
- ものごとを深く感じ取る。
診断テストの質問のうち23個中13個以上当てはまれば、HSCの可能性が高いと言えます。
敏感気質なこども(HSC)との向き合い方
HSCを知るまでは、何かほかの子とちょっと違う?と不安に感じていた人もいると思います。HSCは、生まれ持った性質であり、一つの個性です。
ただ、あらゆる刺激をたくさん受け、人いちばい疲れやすく、ストレスを感じやすい傾向があります。
気持ちに寄り添い見守る
他の子にとらわれず、その子のペースにあわせ、口出しせず見守る。選びたいものを選択したり、やりたいことをやり始めるなど、さまざまなことに時間がかかっても待つ。はじめてのことを、恐怖心や不安感がある時に無理にさせると、トラウマを抱えてしまうことがあるので、好奇心が上回り自発的にやる気になるまで待つ。
こどもの気持ちに共感し、否定しない。
大声で威圧的に叱らない
落ち着いて説明することで、どうすればいいか十分理解できる。他の子が怒られていることにも自分のことのように萎縮してしまう。
他の子と比べない
兄弟や、友達と比べない。落ち着く場所をつくっておく
刺激が過剰になると、疲れやすく、急に怒りだしたり、泣きだしたり、かんしゃくを起こしたりする時があります。そんな時に、こどもが安心できる場所をつくっておく。早めに休ませる
疲れやすいため、無理をさせず、早めに休ませる。苦手なものから遠ざける工夫
苦手な場所や、人、食べ物などからあらかじめ遠ざける工夫をする。繊細さんなこども(HSC)は、ほんのわずかな刺激にも敏感に反応してしまうため、こどものペースで無理をさせず、こどもの気持ちを尊重することが大切です。
よい環境に置かれた場合でも、同じように敏感に感じやすいため、幸せを感じやすく、また物事を深く考えるので、勉強に集中できる環境なら、成績もよくなるなど、繊細で敏感なHSCだからこその強みを活かしてあげることで、その子の良さが引き出されます。
まとめ
このページでは、繊細さんなこども(HSC)についてご紹介しました。
繊細さんなこども(HSC)と発達障がいは、感覚的に似ているところがあり、よく誤解されますが、発達障がいが人の気持ちを理解することが苦手であることに対し、HSCは共感力がとても強いです。自分がそうしたいと思っていなくても、相手の気持ちが分かりすぎてしまったり、相手と同じように感じてしまったりします。
繊細さんなこども(HSC)にとって、「そんなことは気にしなくていいよ」と、敏感に感じていることを否定してしまう事は、自信や、やる気喪失につながります。
敏感に感じやすい気質のため、否定的に感じるよりも、肯定的に感じられる状況にしてあげることで、安心感につながります。
HSCをその子の個性の一つとして尊重し、愛情を持って関わっていくことが大切です。
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HSPってなに?
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