HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略称で、人よりも繊細で、非常に感受性が強く敏感な気質を持って生まれた人という意味で、HSP(エイチ・エス・ピー)と呼ばれています。
HSPは、病気や病名でなく、先天的に生まれ持った性質であり、性格や生まれ育った境遇、現在置かれた環境などで後天的になるものではありません。
この概念を提唱したアメリカの心理学者エイレン・N・アーロン博士によると、人口の15%~20%。5人に1人がHSPにあてはまるとされています。
日本では、まだあまり知られていなくて、敏感すぎる気質を理解されず苦しんだり、周りの人に合わせようと無理をしすぎたりする人が多くいます。
「HSPを治したい」と思われるかもしれませんが、HSPは病気ではないので治るものではありません。
しかし、HSPと上手に付き合っていくことで、もっとラクに過ごしていくことができるのです。
ラクに過ごすためのヒント
ヒント1 自分の本音に向き合う
自分の好きなこと(もの)・嫌いなこと(もの)・得意なこと(もの)・苦手なこと(もの)を把握すること。
「こうしなきゃ」と思うことは、自分の本心ではありません。
無意識に、我慢してしまったり、感情を押し殺したりしていませんか?
「こうしたい」と思う自分に正直になってみてください。
ヒント2 アイテムで刺激を緩和させる
HSPは外部からの刺激に敏感で、音、光、におい、気候の変化など、五感で受ける刺激に対して過度に反応するため、自分が苦手な刺激から物理的に身を守ることで刺激を和らげることができます。
聴覚・・・自分の好きな音楽をイヤホンで聞く。耳栓で音を遮る。
視覚・・・メガネやサングラス、アイマスクをする。
嗅覚・・・マスクをつける。自分の好きな香りを身にまとう。
触覚・・・肌触りの良い服を着る。カーディガンやストールを常備しておく。
味覚・・・好きな飲み物、アメ、ガムを常備しておく。
ヒント3 人との距離間を保つ
他人の感情を自分の感情のように感じてしまう、共感力の高いHSP。
空気を悪くしないように気を遣ってしまい、自分が辛くなってしまうこともあります。
「人と自分は関係ない」と良い意味で分けてしまい、相手の問題には、自ら深く介入しないようにし、相手との間に境界線を引くようにしましょう。
相手を優先してしまいがちですが、まずは、自分がどうしたいかを考え、自分にとって心地よいと思える距離感を知ることが大切です。
そして、共感力の高いHSPですが、察する力も高いので、その空気を読める力を活かし、自分も相手も認め合える距離感に気づくことができれば、お互いにちょうどよい距離感を保つことができます。
ヒント4 自分のための時間をもつ
心では動きたい、頑張りたいと思っているのに、身体が動かないときってありますよね。そんな時は、身体の本音にも素直になってみてください。
ほんの少しの時間でも一人になり、やりたいことをしたり、リラックスする時間をもち、自分のための時間を過ごすことで、気持ちに余裕が持てるようになります。
ヒント5 心のよりどころとなる安全基地をもつ
安全基地とは、いざというとき頼ることができ、守ってもらえる居場所であり、心のよりどころ、心の支えとすることのできる存在のことです。
悲しいとき、辛いとき、悩んだとき、新たなことにチャレンジするときに、話を聞いてもらえるだけで、気持ちが落ち着いたり、悩みが解決したりすることもあります。
自分の全てを受け入れてくれる信頼している人が、すでにいるという方は、その人が安全基地といえますが、身近に安心できる人がいない場合は、なんとなく信頼できそうだなと思う人に、小さなことを相談してみることから始めてみるのはどうでしょう。自分の思いを受け止めてくれる人に出会えるかもしれません。また、そんな人が見つからない場合は、信頼できる専門家も視野にいれて考えてみましょう。
ヒント6 同じHSPの人と交流をもつ
自分と似た性質をもつHSPの人と関わることで、繊細さに理解があり、辛さを分かち合うことができ、ありのままの自分でいることができるので、心がラクに感じられます。
5人に1人がHSPにあてはまるといわれていますが、いざHSPの人とつながりたいと思っても、なかなか周りでHSPの人を見つけるのは難しいと思います。
そんな時は、SNSやHSPのコミュニティサイトを活用するのがおすすめです。
自分の思いや、感じたこと、考え方、好きなことなどを発信することで、あなたの思いに共感してくれる人に出会えます。
まとめ
この記事では、HSPがラクに過ごせる方法についてご紹介しました。
辛いときでも平気なふりをして自分を押し殺さなくていいのです。
あなた自身が自分を認めて、自分自身が心地よいと感じることを追求し、自分を第一に考えることで、HSPが感じる生きづらさや苦しみから解放され、ラクに過ごせるようになります。
ラクに過ごせる第一歩を踏み出してみてください。